【トライアルバイク・スコルパ】ステムベアリング交換|DIYでベアリングとレースを交換してみた

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こんにちは、みる(@mill_tesagyo)です。

SCORPA 300SCのステムベアリングをDIYで交換しました。ステムベアリングは、ハンドル操作を支える重要な部品です。今回はステムを車体から取り外し、古いベアリングとアウターレースを交換。新しいベアリングにグリスを塗り、アウターレースを圧入してからステム、フロントフォーク、ハンドルまで組み直しました。専用工具を使わず、手持ちの工具や塩ビパイプ、鉄パイプなどを使って作業しています。この記事では、SCORPA 300SCのステムベアリング交換作業を記録していきます。

この記事でわかること

  • SCORPA 300SCのステムベアリング交換作業
  • ステムベアリングの取り外し
  • アウターレースの交換
  • 新しいベアリングへのグリスアップ
  • アウターレースの圧入方法
  • ステムの組み付け
  • フロントフォークとハンドルの復旧
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※この記事は、私が所有するSCORPA 300SCで実際に行った作業記録です。締め付けトルクなどの整備基準については、車両のサービスマニュアルを確認してください。

SCORPA 300SCのステムベアリングを交換

今回交換するのは、ステム部分に使用されているベアリングです。ステムを取り外してベアリングを確認したところ、今回はベアリングとアウターレースをまとめて交換することにしました。ステムベアリングはハンドル操作に直接関係する部分なので、今回はベアリング本体だけでなく、フレーム側に圧入されているアウターレースも新品に交換しました。

使用した工具

今回の作業では、専用のステムベアリング圧入工具を使わずに作業しました。使用したものは主に以下です。

  • ベアリングセパレーター
  • ハンマー
  • 樹脂ハンマー
  • 鉄パイプ
  • 塩ビパイプ
  • 木材
  • グリス
  • モリブデン系ペースト
  • 基本的なレンチ・ソケット類

専用工具がないため、手持ちの工具を組み合わせて作業しています。

ハンドルを外す

最初にハンドルを外して、ステムを外せる状態にします。

作業前の車両の状態
ハンドルを止めている4本の六角ボルトを外す
ハンドルを止めている4本の六角ボルトを外す
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外す前にハンドルの位置を記録しておく。できれば写真を撮っておく

組む時は手前から2番目の線に合わせる
組む時は手前から2番目の線に合わせる

六角ボルトを抜くと、ハンドルを止めていた金具が外れます。線がついている方が上側になるので、組む時に上下逆にしないようにします。

ハンドルを止めていた金具
ハンドルを外した状態

この状態になるとステムを固定しているナットに工具を掛けられます。

フロントフォークを抜く

ステムを外す前にフロントフォークを抜いて、作業を楽にします。

フロントフォークを抜く前

フロントフォークはステムの上側を2本、下側を4本の六角ボルトで止めているので、順番に外していきます。

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外す前に、フロントフォークの突き出し量を記録しておきます。

突き出し量は0.5mm
突き出し量は0.5mm
下側はマーカーで記録
下側はマーカーで記録
フロントフォークを外した状態
フロントフォークを外した状態

ステムトップナットとステムナットを緩めて、ステムを外す

フロントフォークが抜けたらステムナットを外して、ステムを外します。トップブリッジ側とハンドルの切れを調整するステムナット2つあります。トップブリッジと固定しているナットは24mmのソケットが必要になります。

ステムトップナットは24mm

手持ちの工具で24mmのソケットが無かったので、モンキーで外しました。

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モンキーだと力を掛けにくいので、メガネもしくはソケットで外した方がいいです。

モンキーでステムナットを外している様子
モンキーでステムナットを外している様子
ステムトップナットを外した状態

トップブリッジを外すとステムナットが現れるので、ステムナットを外していきます。

ステムナットが見える
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ステムレンチ(フックレンチ)があると楽

ステムナットを外すと、車体からステムが外れます。

車体からステムを外した状態
車体からステムを外した状態
ステム単品
ステム単品

緑色のグリス(おそらくステムベアリングに使っていたグリスだと思われる)がシャフト側に流れ込んでいます。組み付ける前に、パーツクリーナーで洗浄します。

ステムベアリングのアウターレースを外していく

車体についているステムベアリングのアウターレースを外していきます。外す際は「ステムベアリングレースリムーバー」を使うと便利です。

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トライアルバイクのステムは径が小さいので、サイズに注意

最初、アストロプロダクツのステムベアリングレースリムーバーを購入しましたが、径が合わず、ストレートのステムベアリングレースリムーバーを再購入しました。

アストロプロダクツのステムベアリングレースリムーバー
対応径が36mm~60mm

対応径が36mmからだったので、スコルパには合わなかったです。

一番縮めた状態でも入らない
一番細いところを測ると34mm
ストレートのステムベアリングレースリムーバー
裏側に説明が書かれています
ストレートのステムベアリングレースリムーバーは入りました

セットした状態で、上からリムーバーを叩いてステムベアリングのアウターレースを外します。私はハンマーとその辺に転がっていた鉄の棒でリムーバーを叩いて外しました。

上側から棒を突っ込んで、リムーバーに当てて叩く
下側のアウターレースを外した時の状態
下側のアウターレースを外した時の状態

同じ要領で上側にもレースリムーバーを取り付けます。

リムーバーを取り付けた状態
アウターレースが外れてきます

アウターレースが外れた状態で、中をパーツクリーナーで磨いていきます。ステムシャフトにグリスが付着していたので、おそらく汚れているはずです。

中をパーツクリーナーで磨きます
上側アウターレース取り付け部分
下側アウターレース取り付け部分

アウターレースを取り付ける部分はそこまでキズや汚れが付着していることはなかったです。パーツクリーナーで洗浄します。

ステムシャフトからステムベアリングを取り外す

今回一番の鬼門になるステムベアリング取り外し。とりわけインナーレースを外すのが大変です。まずはベアリング部分をこじって破壊して、インナーレースが見える状態にします。

ベアリング部分を破壊して、インナーレースが見えるようにする
インナーレースだけになった状態
インナーレースだけになった状態

マイナスドライバーとハンマーで叩いて外してみる

最初はマイナスドライバーとハンマーを使って叩いて外そうとしてみましたが、まったく外れませんでした。インナーレースとステムの間に入っているアルミのワッシャーを歪ませて終わりました。

ベアリングセパレーターを使ってみる

今度はベアリングセパレータを使って外そうとしました。

ベアリングセパレーター

引っかけるところが無く、インナーレースに引っ掛けて使ってみましたが、インナーレースの一部が欠けて使えませんでした。

砕けたインナーレース
インナーレースの一部が砕けた

通常のバイクだとインナーレースとブリッジの間にゴムが嵌ってることが多く、そこに引っ掛けて使えます。今回はワッシャーしかなかったので、ひっかけることができませんでした。

参考:Webike

ディスクグラインダーで切る

最終的にインナーレースの取り外しに成功したのはディスクグラインダーで切るという選択でした。

Danger

ディスクグラインダーでインナーレースを切断する場合は、ステムシャフトまで削らないよう注意が必要です。今回は実際にステムシャフトに傷を入れてしまいました。

使用したマキタのディスクグラインダー
切断前の状態
徐々に切り込みを入れていきます
深く切った所

ここで切れ目部分にマイナスドライバーとハンマーで叩いて割れれば取れます。

使用した貫通ドライバーとハンマー
このようにして叩いて割る

まだ割れなかったので、反対側も切れ目を入れました。

反対側にも切れ目を入れる
かなり深く切った状態
Warning

ディスクグラインダーで削りすぎるとステムシャフトに傷をつけるので注意

削りすぎてステムシャフトに傷が入りました

ただここまで切るとインナーレースが緩くなり写真のように外すことができます。

インナーレースが外れたところ

後はマイナスドライバーとハンマーで叩いて外すだけです。

インナーレースを外した所

新品のステムベアリングを圧入する

取り外し作業が終わったので、次は取り付け作業に移ります。

左が新しいベアリング、右が取り外したアウターレース

先に下側のステムベアリングを入れていきます。途中までは簡単に入りますが、ここから圧入していく必要があります。

ここまではすぐに入る

塩ビパイプを使って叩き込む

最初は塩ビパイプを使って叩き込もうとしました。ステムシャフトの径は20mm、長さは200mm程度なのでそれに合った塩ビパイプを購入しました。

ステムシャフトの直径は約20mm
ステムシャフトの直径は約20mm
ステムシャフトの長さは約200mm
ステムシャフトの長さは約200mm
購入した塩ビパイプ

この塩ビパイプを切って叩き込みましたが、まったく入りませんでした。

ステムナットを利用して圧入する

塩ビパイプを丁度いい長さに切って、ステムナットを締めて圧入する方法を使ってみました。

ステムナットを締めることでステムベアリングが圧入される

この方法で少しずつステムベアリングを圧入することができました。しかし塩ビパイプの長さが短く、最後まで入れることができなかったです。また治具使って上から押し込むようにしてみましたが、鉄板側が歪んでしまい使えませんでした。

Information

※今回は手持ちの工具を使ったDIYでの圧入方法です。

自作で上から押さえつける治具つくってみた

鉄パイプを使って圧入

最終的にワッシャーと鉄パイプを使って、叩いて圧入しました。

圧入前の状態(塩ビパイプ使用)

鉄パイプとワッシャーとハンマーを用意。

道具
上からたたき込む
圧入できました
Warning

圧入で使うパイプは鉄パイプの方が力が伝わる

鉄パイプだけで圧入できましたが、ステムシャフトとの摩擦を少しでも減らすため、手持ちのKUREフリーズルブを吹き付けてから作業しました。

フリーズルブ
Warning

※フリーズルブは本来、固着した部品を冷却して外しやすくするための製品です。今回の使用はあくまで私の作業方法です。

下側のアウターレースを取り付ける

インナーレースとベアリングが取り付けできたので、次にアウターレースを取り付けます。ハンマーとベアリング圧入器具を使うと簡単にたたき込めます。

叩き込む途中のアウターレース
叩き込んだアウターレース

写真ではまだ段差が見えているため、アウターレースが座面に完全に密着するまで、周囲を均等に叩いて圧入します。レースが斜めにならないよう、周囲を均等に叩きながら少しずつ圧入します。

上側のアウターレースを取り付ける

下側のアウターレースが取り付けできれば、上側のアウターレースを取り付けます。

叩き込む途中のアウターレース
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アウターレースの向きを間違えないようにします。上側のアウターレースは径が細い側が下向きです。

叩き込む様子

ハンマーとベアリング圧入用の道具を使うと簡単に圧入できます。

圧入完了

ステムを組む

ここまで来たら、後はステムを組んでいくだけです。組む前にステムベアリングとアウターレースにしっかりグリスを塗りつけます。今回は持っていたモリブデングリスを使いました。

SCORPA 300SCのステムベアリングに使用したモリブデングリス
今回使用したモリブデングリス
ステムベアリングにしっかり塗り付ける
アウターレース側にもしっかり塗り付ける

ステムシャフトのネジ山部分にはカジリ防止でモリペーストをつけました。

モリペースト
カジリ防止でつける

ネジロック材より、次にばらそうとした時の固着が怖かったので今回はモリペーストを使用しました。なお、サービスマニュアルでネジロック剤の使用が指定されている場合は、指定に従ってください。

ステム取り付け後、ステムナットをつける
トップブリッジを取り付ける

ステムベアリングの調整

ステムを組み付けた後は、ステムベアリングの締め付けを調整します。ステムベアリングは締め付けすぎるとハンドル操作が重くなり、逆に緩すぎるとステムにガタが出るため、適切なプリロードに調整する必要があります。トライアルバイクでサービスマニュアルが無かったので感覚で締めました。締め付け後、ステムにガタがなく、ハンドルを左右に切った際に引っ掛かりや過度な重さがないことを確認しました。

Warning

締め付けトルクや調整方法は年式・仕様によって異なるため、サービスマニュアルの数値を確認してください。

フロントフォークを取り付ける

ステムを取り付けたら、フロントフォークを取り付けます。突き出し量や取り付け場所は外す際にマーカーしておいた線に合わせてつけます。

フロントフォークを取り付ける

ハンドルを取り付ける

最後にハンドルを取り付けます。取り付ける際はマーカーに合わせて取り付けます。

ハンドルを取り付ける
Information

ハンドルを固定するときは、ライダーの手前のボルトを止めてから奥側のボルトを止める

線に合わせる
線に合わせる

組み付け完了

走行前には、ステムのガタがないこと、ハンドルを左右に切ったときに引っ掛かりがないこと、フロントブレーキや各部ボルトが確実に固定されていることを確認します。その後、近距離を低速で走行して、ハンドル操作やブレーキなどに異常がないことを確認しました。交換後はステムの動きもスムーズになり、今回の作業を無事に終えることができました。

車体の完成

まとめ

今回はSCORPA 300SCのステムベアリングをDIYで交換しました。作業では、

  • 古いベアリングの取り外し
  • アウターレースの交換
  • 新しいベアリングへのグリスアップ
  • アウターレースの圧入
  • ステムの組み付け
  • フロントフォークの取り付け
  • ハンドルの取り付け

まで行いました。アウターレースの圧入では、最初は塩ビパイプを使用し、最後は鉄パイプを使って打ち込みました。専用工具がなくても工夫すれば作業できましたが、ステムベアリングはハンドル操作に関係する重要な部分です。組み付け後はステムの動きやガタがないことを確認し、各部を確実に締め付けてから走行するようにします。今回の交換でステムベアリング周りはリフレッシュできました。その後、近距離を低速で走行して、ハンドル操作やブレーキなどに異常がないことを確認しました。交換後はステムの動きもスムーズになり、今回の作業を無事に終えることができました。

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